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令和6年版 救急救助の現況解説

「昨日、また救急車のサイレンで目が覚めた…」

こんな経験、最近増えていませんか?

実は、あなたの感覚は正しいんです。日本の救急出動件数は過去最高を記録し続けているんです。その数、なんと年間764万件以上!1日あたり約2万0,931件の救急車が出動しています。

今回は、令和6年版 救急救助の現況から最新データを徹底分析。あなたが知らなかった救急現場の「リアル」をお届けします。この記事を読めば、救急車を見る目が変わるはず。

📊 驚愕の数字!救急出動件数が過去最高を更新中

「毎年増える救急要請、もはや限界点?」

令和5年の救急出動件数は764万0,987件。前年比で5.7%増という衝撃的な数字です。これは何を意味するのでしょうか?

  • 1日あたり:20,931件
  • 1時間あたり:872件
  • 1分あたり:14.5件

つまり、あなたがこの記事を読んでいる間にも、全国で数十台の救急車がサイレンを鳴らして走っているのです!

対して、救急車の台数は全国で6,640台、救急隊員は67,747人。この限られたリソースで全ての要請に対応しているのです。

🔥 衝撃事実: 救急車の数は毎年緩やかに増加していますが、出動件数の増加ペースには全く追いついていません。このままでは「救急車が来ない」という事態も現実味を帯びてきます。

👵 救急車を呼ぶのは誰?どこから?

「高齢者と軽症者が救急リソースを圧迫?」

救急車で搬送される人の実に67.7%が65歳以上の高齢者です。前年の62.1%からさらに増加しています。

さらに驚くべきは、搬送される人の約半数(48.5%)が軽症だということ。「タクシー代わり」という批判も一概に否定できない現状があります。

最も多い救急要請の場所は?

  1. 住宅内:全体の約60%
    • 寝室・居間・応接室:327万9,079人
    • 廊下・玄関などの通路:37万3,995人
  2. 公共施設・商業施設・・・1,743,687人(26.3%)
  3. 道路・・・665,538人(10.0%)

😱 驚愕の事実: 救急車は「事故現場」よりも「あなたの家」に呼ばれることが圧倒的に多いのです!

ピーク時間帯は?

最も救急車が忙しいのは午前10時〜正午(85万8,259人‐全体の12.9%)。次いで8時〜10時、12時〜14時と続きます。

最も少ないのは深夜2時〜4時(22万4,341人)。

つまり、あなたが日常生活を送っている「普通の時間」こそ、救急隊員たちが最も走り回っている時間なのです。

⏱️ 「黄金の10分」は守られているのか?

「救急車到着までの時間で命運が分かれる」

全国平均で、119番通報から救急車が現場に到着するまでに約10.0分かかっています。

平成16年の6.5分から3.5分も伸びています!

しかし、さらに重要なのは、病院に収容されるまでの時間。それはなんと約47.3分

つまり、発症から医師による本格的な治療開始まで約50分かかるのです。心臓発作や脳卒中など、一刻を争う状況では、この時間が命運を分けることになります。

💡 : 「心停止から3分で脳へのダメージが始まり、10分でほぼ回復不能になる。この『黄金の10分』で何をするかが生死を分ける」—救急豆知識

🦸‍♀️ あなたも命の救世主になれる!衝撃の救命率データ

「AEDの使用で生存率11倍に!」

心肺停止の現場に居合わせた一般市民がAEDを使用した場合、1ヶ月後の生存率は60.0%、社会復帰率は53.2%

一方、AEDが使用されなかった場合の生存率はわずか8.0%、社会復帰率に至っては4.7%しかありません。

つまり、あなたがAEDを使えるかどうかで、目の前で倒れた人の生存率が約7.5倍、社会復帰率が約11.3倍になるのです!

※この数値(生存率60.0%、社会復帰率53.2%)は、「心原性の心停止」かつ「目撃があり、すぐにAEDが使用された場合」における統計です。心肺停止の原因や状況によって救命率は大きく異なるため、あくまで“最も効果的なケース”での数字とご理解ください。

🚑 意外と知らない救急の世界

「高速道路で毎日23台の救急車が走る」

高速道路での救急出動は年間8,522件。1日あたり約23件です。高速道路での事故は重症化しやすく、迅速な対応が求められます。

「転院搬送」業務

病院から病院への患者移送である「転院搬送」は年間55万6,367件で、全体の7.3%を占めています。これも増加傾向(前年比3.5%増)にあります。

💪 私たちにできること:3つの救命アクション

1. 救急車の適切な利用を

本当に緊急性があるケースのみ119番を。軽症の場合は「#7119」(救急安心センター)や休日夜間急患センターの活用を。

【119番通報~救急車の呼び方】を参考にしてください。

救急安心センター事業【♯7119】:総務省消防庁

2. 応急手当・AEDの使い方を学ぼう

あなたの知識と勇気が命を救います。統計が証明する通り、市民による迅速な除細動は救命率を劇的に向上させます。消防署などで行われる「救命講習」に参加してみませんか?

年間で普通救命講習受講者は83万9,270人です。大切な人のために救命講習を受講してみませんか?興味のある方は、最寄りの消防署へお問い合わせください。

座学をご自身で勉強したい人は下記をご覧ください。

応急手当WEB講習 :総務省消防庁

救急救命士が教える「子どもの窒息事故」完全対策ガイド

3. 家庭内の安全対策を徹底

特に高齢者のいる家庭では、転倒防止措置など、救急要請につながる事故の予防を。約60%の救急要請が住宅内で発生していることを忘れないでください。

🔄 まとめ:救急はみんなで守るもの

救急医療は消防や病院だけのものではありません。私たち市民も含めた社会全体のシステムなのです。

限りある救急リソースを守り、本当に必要な人に届けるために、私たち一人ひとりができることから始めましょう。

そして、もしもの時に備えて、応急手当の知識を身につけておくことが、あなたの大切な人、そして知らない誰かの命を救うことになるかもしれません。

救急車のサイレンを聞くたび、「今、どこかで命の戦いが繰り広げられている」と思い出してください。そして、あなた自身も、いつか誰かの命を救う「ヒーロー」になれる準備をしておいてください。


📝 データ出典

本記事で使用したデータは全て「令和6年版 消防現況」(令和6年4月1日現在)に掲載されている令和5年中の救急に関する公式統計に基づいています。

令和6年版 消防現況:総務省消防庁


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救命士から民間救急への挑戦ストーリー 40代、2児の父。 約20年間、救命士として現場の最前線で活動してきました。 持病の悪化で現役続行を断念。民間救急開業への経過や現役救命士のサポート情報を発信していきます。